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症例報告
細菌性髄膜炎,敗血疹を伴った黄色ブドウ球菌による敗血症の1例
著者: 舛明子1 笹井収1 白鳥宜孝2 佐藤勝久2 鈴木直輝3 加藤昌昭3 塚本哲朗3
所属機関: 1いわき市立総合磐城共立病院皮膚科 2いわき市立総合磐城共立病院消化器内科 3いわき市立総合磐城共立病院神経内科
ページ範囲:P.613 - P.616
文献購入ページに移動23歳,男性.アトピー性皮膚炎がある.高熱,意識障害,播種性血管内凝固症候群,多臓器不全を呈して入院した.四肢に湿疹性病変と膿疱,紅斑,紫斑がみられ,紫斑からの生検組織像では,真皮の小血管周囲に好中球性の膿瘍,血管炎の所見を認めた.髄液検査の結果から,細菌性髄膜炎であることが判明し,血液培養では黄色ブドウ球菌が同定された.抗生剤の多剤併用で全身症状が軽快するとともに皮疹も軽快した.自験例の皮疹は黄色ブドウ球菌性敗血疹に定型的であった.黄色ブドウ球菌の侵入経路としては,アトピー性皮膚炎の病変である可能性が考えられた.
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