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症例報告
有棘細胞癌を併発した疣贅状表皮発育異常症の1例
著者: 高橋智佐子1 吉田寿男1 二宮淳也1 清佳浩1 滝内石夫1
所属機関: 1昭和大学藤が丘病院皮膚科
ページ範囲:P.617 - P.619
文献購入ページに移動63歳,女性.15歳頃,右下腿に癜風様皮疹が出現,徐々に全身に多発してきた.51歳時,疣贅状表皮発育異常症(epidermodysplasia verruciformis:EV)と診断された.58歳時に生じた右上眼瞼紅斑と,以前からみられた前腕部皮疹を生検した結果は有棘細胞癌とEVであり,いずれもpolymerase chain reaction(PCR)法にてhuman papilloma virus5型が検出された.有棘細胞癌には電子線照射を行い,腫瘍は消失した.EVに対してはエトレチナートの内服を行い,皮疹は消退傾向を示した.しかし,副作用のため,エトレチナート治療を中止したところ,皮疹が再燃し,有棘細胞癌が発生したため腫瘍の切除を行った.現在はしゃ光を行いながら通院中である.
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