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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻7号

2005年06月発行

文献概要

症例報告

壊死性筋膜炎の3例

著者: 安芸実扶子1 林伸和1 上田周1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.620 - P.623

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要約

 症例1:72歳,女性.糖尿病性腎障害で,1982年より人工透析中.左第3・4趾に疼痛を伴う潰瘍が出現し,急速に拡大した.デブリードマンで感染症状は軽快したが,動脈硬化症のため潰瘍の治療は困難と判断し,左下腿切断術を施行した.セラチア菌が検出された.症例2:64歳,男性.寿司屋.大酒家.外果に疼痛を伴う紅斑が出現し,急速に下腿まで拡大した.患部よりA群溶連菌が検出された.症例3:62歳,女性.既往歴に原発性胆汁性肝硬変,再生不良性貧血がある.右足背に疼痛を伴う紅斑が出現し,近医で抗生剤を点滴するも急速に拡大した.以上3例とも免疫機能の低下や局所の循環不全が壊死性筋膜炎を生じた背景と考えた.2000~2001年の2年間の105例の報告では,基礎疾患として糖尿病,肝障害の合併が多く,起炎菌では溶連菌,Vibrio,黄色ブドウ球菌が多かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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