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症例報告
乳癌患者へのドセタキセル投与後に発症した皮膚筋炎
著者: 堀田隆之1 早川和人2 狩野葉子2 塩原哲夫2 永田靖彦3 矢嶋幸浩3
所属機関: 1公立阿伎留病院皮膚科 2杏林大学医学部皮膚科学教室 3公立阿伎留病院外科
ページ範囲:P.634 - P.637
文献購入ページに移動48歳,女性.外科で乳癌の手術を施行されたが,1年5か月後に胸壁転移を認めた.化学療法としてドセタキセル(TXT)を投与し,3週間後に顔面,躯幹などに紅斑が出現.プレドニゾロン(PSL)30mgでいったん軽快するも,中止翌日から皮疹が再燃した.この時点で手指のGottron徴候,爪囲紅斑,肘頭,膝蓋の紅斑が明らかとなり,臨床像,組織所見および血清CPK高値などの検査所見より皮膚筋炎(DM)と診断した.自験例は乳癌に関連して生じたDMと考えられるが,経過よりTXT投与が発症の誘因となった可能性がある.一般にDMが内臓悪性腫瘍に随伴して生じることは周知のことであるが,化学療法などがDMの発症に関与したか否かはあまり検討されていない.自験例におけるTXTのDM発症への関与について若干の考察を加えた.
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