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症例報告
眼球突出,ばち状指を伴った脛骨前粘液水腫の1例
著者: 齋藤まるみ1 中村晃一郎1 金子史男1
所属機関: 1福島県立医科大学医学部皮膚科学講座
ページ範囲:P.654 - P.656
文献購入ページに移動48歳,女性.初診1年前から甲状腺眼症を発症した.2か月前より四肢の浮腫が生じた.血液検査ではfree T3(FT3)およびfree T4(FT4)は正常範囲内であったが,TSH低値,TS抗体陽性であり,甲状腺のびまん性腫大,眼球突出,前腕伸側および下腿伸側に多毛を伴う浮腫性硬化を認めた.また,手足にばち状指を伴っていた.下肢皮疹部の病理組織像では,真皮は浮腫状でアルシアンブルーにより淡青色に染色された.脛骨前粘液水腫と診断し,吉草酸ベタメタゾン(リンデロンV軟膏 (R))の外用にて加療中である.
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