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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻7号

2005年06月発行

症例報告

背部弾性線維腫の3例

著者: 麻生和雄1

所属機関: 1麻生皮膚科クリニック

ページ範囲:P.660 - P.663

文献概要

要約

 弾性線維腫(elastofibroma)は腫瘍様の線維性増殖に,小円形,連珠状,紐状の不定型弾力線維の存在を特徴とし,一部に脂肪織の混在も認められる.多くは肩甲骨下に生ずる半球状,弾性硬の腫瘤で,背部弾性線維腫と呼ばれるが,その他肘頭下部,側胸部,手,足にも発症,また心内膜,弁腱索,結腸にも生じ,それらは表面が乳嘴状であるのでpapillary elastofibromaと呼ばれる.背部弾性線維腫は肩甲骨下部,広背筋,前鋸筋と胸壁の間に発生し,弾性硬,鷲卵大にも達することがある.多くは無症候性であるが,疼痛のあることもあり,肩を拳上すると弾発音を生ずることがある.悪性化は認められていない.遺伝,体質的素因に機械的刺激が加わって発症すると考えられる.本邦では沖縄,鹿児島,九州地方に多く,関東,特に東北地方ではまれである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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