文献詳細
症例報告
Sclerotic fibroma of the skinの1例
著者: 金子聡1 佐藤勘治1 新山史朗1 饗場伸作1 向井秀樹1 角田幸雄2 宮川加奈太3
所属機関: 1横浜労災病院皮膚科 2横浜労災病院病理部 3岸根公園皮膚科
ページ範囲:P.664 - P.666
文献概要
69歳,女性の左下腹部に生じたsclerotic fibroma of the skinの1例を経験した.弾性やや硬,半球状に隆起する5×9mm大の皮下結節で,組織学的には硝子化や膨化した膠原線維束が網目状やタマネギの断面に似た特異な構造を示していた.Rapini & Golitzの原著と本邦報告例を比較検討し,その好発部位は顔面および頭部であった.本疾患の発症機序としては過誤腫説,dermatofibromaの変性終末像説などがあるものの,本例は細胞成分が乏しく硝子化の著明な組織像であるが,免疫組織化学的所見などより増殖能を持った真の腫瘍であると考えた.
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