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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻7号

2005年06月発行

文献概要

症例報告

多形皮膚萎縮症を呈したCD8陽性皮膚T細胞リンパ腫の1例

著者: 岸本恵美1 土屋知子1 滝澤三久1 轟葉子1 守屋修二1 江藤隆史1 木花光2

所属機関: 1東京逓信病院皮膚科 2済生会横浜市南部病院皮膚科

ページ範囲:P.680 - P.683

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要約

 26歳,男性.17歳時より下腹部から大腿に落屑性紅斑が出現し,徐々に多形皮膚萎縮症を呈する病変に進行した.他院で局面型類乾癬と診断されていた.初診時,下腹部から両大腿にかけてと両腋窩に色素沈着,色素脱出,毛細血管拡張,紫斑を混じる境界明瞭な萎縮性落屑性紅斑が存在した.病理組織学的に真皮上層では帯状に,中層から下層では血管周囲性に異型リンパ球が稠密に浸潤し,表皮内浸潤像も認めた.浸潤リンパ球のほとんどがCD8陽性で,自験例をCD8陽性皮膚T細胞リンパ腫と診断した.内服PUVA療法を数回施行後,無疹部にみえた体幹にも茶褐色斑が出現したが,PUVA療法終了時にはほとんどの病変が色素沈着と色素脱出を残して軽快した.内服PUVA療法後に全身の病変が明らかになったのは,病変部と非病変部で最小光毒量の差があるためではないかと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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