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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻7号

2005年06月発行

治療

高齢者施設での疥癬の集団発生に対するイベルメクチンの治療効果

著者: 大滝倫子1 谷口裕子1 牧上久仁子2

所属機関: 1九段坂病院皮膚科 2福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座

ページ範囲:P.692 - P.698

文献概要

要約

 高齢者施設で疥癬患者74例にイベルメクチン200μg/kg,1週間間隔で2回投与した結果,9例(12.2%)が未治癒,4か月後までにさらに9例(12.2%)に再発を認めた.この結果より,同剤は有効であるが,高齢者では再発の可能性があり,長期間の観察が必要であることがわかった.予防的治療として無症状者150例に1回投与を行ったが,4か月までに7例(4.7%)の発症を認めた.この結果より,高齢者では予防的治療でも2回投与が望まれる.職員102名は症状の有無に応じて1~2回投与を受けたが未治癒,再発,新たな発症はなく,健常者には極めて有効であることがわかった.入居者,職員ともに投薬前後での検査値に変動はなく,皮疹の増悪,そう痒の増加などの副作用も認められなかった.なお,イベルメクチンは疥癬の保険適用がないため,インフォームドコンセントを得たうえで投与した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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