icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻8号

2005年07月発行

文献概要

症例報告

温水洗浄便座の乾燥機能温風による熱傷の1例

著者: 上野孝1 菅又章2 田中祝3 宮下協二3

所属機関: 1東埼玉総合病院形成外科 2東京医科大学八王子医療センター形成外科 3海老名総合病院形成外科

ページ範囲:P.725 - P.727

文献購入ページに移動
要約

 56歳,女性.20年前から下半身麻痺の既往があった.トイレで洗浄後,乾燥機能温風を4分間用いたところ臀部に熱傷を生じた.14×9cmのDDB(deep dermal burn)熱傷であり,洗浄およびアルプロスタジルアルファデクス含有軟膏塗布にて加療し,受傷後約9週間で上皮化が完了した.乾燥機能温風の排出口の温度は99℃であった.この温風が持続的に吹きつけられ,局所の皮膚温が上昇したが,熱源を回避することができなかったために,熱傷形成の閾値を超える熱量が皮膚を損傷したと思われる.同様の受傷機転の報告は見当たらず,啓発のために報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?