文献詳細
文献概要
症例報告
紫斑と分枝状皮斑から多発性骨髄腫の診断に至った1例
著者: 芳賀貴裕1 千葉修子1 松永純2 相場節也2
所属機関: 1米沢市立病院皮膚科 2東北大学大学院医学系研究科内科病態学皮膚科学分野
ページ範囲:P.735 - P.737
文献購入ページに移動51歳,女性.既往歴は特にない.当科初診の約3か月前から両足に痒み,痛みを伴う皮疹が出現した.当科初診時,両足外果周囲,踵に紫斑を認めた.また,下腿から足背にかけて淡褐色調の網状皮斑を認めた.臨床像からは全身性エリテマトーデスや結節性多発動脈炎,抗リン脂質抗体症候群などの膠原病,および類似疾患,皮膚アレルギー性血管炎,クリオグロブリン血症性紫斑などを鑑別に考えた.血液検査,皮膚生検,および内科学的にも精査し,多発性骨髄腫に合併したクリオグロブリン血症性紫斑と診断した.皮膚症状から早期に自覚症状のない未治療の悪性腫瘍の発見に至った症例であった.
掲載誌情報