icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻8号

2005年07月発行

症例報告

C型肝炎を伴った晩発性皮膚ポルフィリン症

著者: 玉川理沙1 益田浩司1 若林俊治2 岸本三郎1

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚病態制御学 2若林医院

ページ範囲:P.760 - P.762

文献概要

要約

 62歳,男性.20歳から1日3合の飲酒歴,30歳から肝炎の既往歴がある.初診の1年前より顔面や両手背に小水疱が出現し,それが痂皮化することを繰り返すようになった.初診時,顔面,両手背に小豆大の小水疱,痂皮を伴うびらん,瘢痕,色素沈着が散在していた.右手背の小水疱から生検を行ったところ,HE染色では表皮下水疱と真皮上層血管周囲にリンパ球を主体とする軽度の炎症細胞浸潤があった.臨床検査所見では尿中ウロポルフィリンは高値を示した.また,肝機能障害がみられ,抗HCV抗体陽性であり,血清フェリチンは軽度上昇していた.以上の結果より,自験例をC型肝炎を伴う晩発性皮膚ポルフィリン症と診断した.遮光,禁酒を施行し,現在水疱の新生は認められず,びらんは上皮化したが,瘢痕,色素沈着は残存している.また,尿中ウロポルフィリンは減少しておらず,当科で定期的に経過観察している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら