文献詳細
症例報告
サルコイドーシス患者に合併した慢性腎不全によるcalciphylaxis
著者: 中西健史1 西原清子1 石井正光1 土田敬生2 木本栄司2 庄司哲雄2
所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科皮膚病態学分野 2大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学分野
ページ範囲:P.773 - P.776
文献概要
51歳,女性.慢性腎不全に伴う血液透析を5年前より受けている.50歳時にサルコイドーシスの診断を受け,ステロイド内服により加療されていた.指趾先端,踵,大腿内側に皮膚の壊死が出現.単純X線で壊死部に一致した血管の石灰化が確認された.エチドロン酸2ナトリウムの低用量投与を試みたが,壊死出現後8か月で死亡した.自験例における壊疽,潰瘍の症状はcalciphylaxisによるものと考えたが,サルコイドーシスを合併していたことより,高カルシウム血症やステロイド投与が病態の形成を助長した可能性が想定された.
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