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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻8号

2005年07月発行

文献概要

症例報告

耐糖能異常を伴ったannular elastolytic giant cell granulomaの1例

著者: 武村朋代1 堀内祐紀1 神田憲子1 檜垣祐子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.777 - P.779

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要約

 64歳,女性.初診の9か月前より上肢に結節が出現し,環状に拡大,増数した.糖尿病などの合併症はないが,耐糖能異常を認めた.初診時,上肢,手背,足背に辺縁が隆起し,浸潤を触れる環状の皮疹が散在していた.上背部,肩には大豆大までの小結節がみられた.結節部の病理組織像では,リンパ球,組織球,巨細胞からなる稠密な炎症細胞浸潤を認め,弾性線維を貪食した巨細胞が散見された.また膠原線維は変性し,その近傍の小血管周囲ではフィブリンの析出を認めた.環状皮疹の隆起部では高度のリンパ球,組織球からなる炎症細胞浸潤を,内側では真皮上層の軽度の日光弾性線維症と軽度のリンパ球,組織球からなる炎症細胞浸潤を認めたため,本症例をannular elastolytic giant cell granulomaと診断した.耐糖能異常を伴ったことにより環状肉芽腫との鑑別を要した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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