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症例報告
Papillary tubular adenomaの1例―病名についての考察を加えて
著者: 菅原祐樹1 森康記1 高橋和宏1 赤坂俊英1
所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.789 - P.791
文献購入ページに移動32歳,女性.小学生時より左手背の皮疹を自覚していた.左手背尺側の径6mmの表面平滑な淡紅色の腫瘤で,病理組織学的に真皮内に管腔構造を呈する細胞の増生があり,中心の囊胞腔に好酸性物質が貯留している.囊胞壁は2層性の細胞構築で,内側上皮は内腔に向かい,一部は乳頭状に増生し,外側上皮の細胞は扁平に配列する.従来,汗腺由来腫瘍ではその由来がエクリン腺かアポクリン腺かで病名が異なるが,厳密な決定は困難であり,われわれは自験例をpapillary tubular adenomaと診断した.
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