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症例報告
血管拡張性肉芽腫様外観を呈したグロムス腫瘍の1例
著者: 植村功1 福田英嗣1 斉藤隆三1
所属機関: 1東邦大学医学部第二皮膚科学教室
ページ範囲:P.795 - P.797
文献購入ページに移動30歳,男性.初診の1年前より右上腕に痛みを伴った易出血性の紅色結節が出現,徐々に増大するため当科を紹介され受診した.血管拡張性肉芽腫を疑い全摘術を施行した.病理組織学的所見は真皮上層から皮下脂肪織にかけて血管の増生を伴い,好酸性の細胞質をもった細胞の増殖で構成される結節性病変である.免疫組織化学染色でα-SMA染色,ビメンチン染色,アザン・マロリー染色が陽性を示した.以上よりグロムス腫瘍(glomangioma type;以下glomangioma)と診断した.本症は手指発症例が最も多く,自験例のような上腕発症例は比較的稀である.また,自験例が血管拡張性肉芽腫様にみえたのは,病理組織所見のごとく著明な血管増生があるglomangiomaであったためと考えた.
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