文献詳細
症例報告
文献概要
要約
80歳,女性.初診の約1か月前,左耳垂の小豆大皮下結節に気づいた.粉瘤の診断で全摘したが,病理組織所見で真皮から皮下脂肪織に結節状の腫瘍細胞巣を認めた.腫瘍細胞は細胞質に乏しい中型細胞で,類円形の核を有し分裂像もみられ,免疫染色ではS-100蛋白陰性,EMA,クロモグラニンA,NSE陽性,CK20が強陽性であった.画像診断上,明らかな他臓器病変はなく,耳垂に原発したMerkel細胞癌と診断し,拡大切除を施行した.術後1年を経過した現在,局所再発,転移はない.耳垂に生じたMerkel細胞癌の報告は少なく,耳介発生例の中でも自験例のような小結節の段階で発見された例は極めて稀と考えられる.
80歳,女性.初診の約1か月前,左耳垂の小豆大皮下結節に気づいた.粉瘤の診断で全摘したが,病理組織所見で真皮から皮下脂肪織に結節状の腫瘍細胞巣を認めた.腫瘍細胞は細胞質に乏しい中型細胞で,類円形の核を有し分裂像もみられ,免疫染色ではS-100蛋白陰性,EMA,クロモグラニンA,NSE陽性,CK20が強陽性であった.画像診断上,明らかな他臓器病変はなく,耳垂に原発したMerkel細胞癌と診断し,拡大切除を施行した.術後1年を経過した現在,局所再発,転移はない.耳垂に生じたMerkel細胞癌の報告は少なく,耳介発生例の中でも自験例のような小結節の段階で発見された例は極めて稀と考えられる.
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