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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻8号

2005年07月発行

文献概要

治療

全フェノール法による爪甲廃絶治療の経験

著者: 巖文哉1 川嶋利瑞1

所属機関: 1札幌鉄道病院皮膚科

ページ範囲:P.813 - P.815

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要約

 フェノール法は通常,陥入爪の治療法として爪甲の部分的廃絶に用いられている.しかし,日常診療において全爪甲の廃絶が必要な症例にときおり遭遇する.本論文では全爪甲を廃絶する全フェノール法の臨床応用について詳述した.駆血下に全爪甲を抜去し,細い綿棒を液状フェノールで湿らせ爪母基を処置する.反応時間は4分である.処置後は余剰のフェノールをアルコールで洗浄する.今回8爪甲を本法で廃絶した.6か月以上の経過観察にて爪甲の再生は認められなかった.全フェノール法は爪甲を永久に廃絶するため整容的方法とはいえず,その適用には慎重であるべきである.しかし,全爪甲を廃絶する必要があるときには,よい選択肢の1つになると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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