文献詳細
文献概要
原著
仙骨部毛巣洞の15例―深部切除範囲についての検討
著者: 土屋和夫1 竹之内辰也1
所属機関: 1新潟県立がんセンター皮膚科
ページ範囲:P.829 - P.833
文献購入ページに移動要約
毛巣洞は毛髪を含む瘻孔,囊腫とその周囲の肉芽腫形成からなり,仙骨部の増悪・軽快を繰り返す発赤・腫脹・疼痛を呈する病変としてしばしば日常診療で経験する.新潟県立がんセンター皮膚科で1999~2004年に経験した仙骨部毛巣洞15例を対象とし,臨床および組織所見,特に深部の切除範囲について検討を加えた.15例の内訳は男性12例,女性3例,平均年齢26.5歳.Body mass index (BMI)は平均27.2で,12例に多毛を認めた.治療は全例筋膜上で全切除,単純縫縮を施行したが,BMIが30を超えていた2例で術創の部分離開がみられた.組織切片上で計測した皮表から病変最深部までの垂直径は平均10mm(3~21mm),皮表から深部切除断端までは平均18mm(12~29mm)であり,根治目的には筋膜上での切除が必要と考えた.
毛巣洞は毛髪を含む瘻孔,囊腫とその周囲の肉芽腫形成からなり,仙骨部の増悪・軽快を繰り返す発赤・腫脹・疼痛を呈する病変としてしばしば日常診療で経験する.新潟県立がんセンター皮膚科で1999~2004年に経験した仙骨部毛巣洞15例を対象とし,臨床および組織所見,特に深部の切除範囲について検討を加えた.15例の内訳は男性12例,女性3例,平均年齢26.5歳.Body mass index (BMI)は平均27.2で,12例に多毛を認めた.治療は全例筋膜上で全切除,単純縫縮を施行したが,BMIが30を超えていた2例で術創の部分離開がみられた.組織切片上で計測した皮表から病変最深部までの垂直径は平均10mm(3~21mm),皮表から深部切除断端までは平均18mm(12~29mm)であり,根治目的には筋膜上での切除が必要と考えた.
掲載誌情報