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今月の症例
上腕に生じたmucinous carcinoma of the skin
著者: 福永有希1 秋山朋子1 西香織1 西澤春彦1 中嶋弘2 池澤善郎3
所属機関: 1平塚共済病院皮膚科 2横浜市アレルギーセンター皮膚科 3横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学教室
ページ範囲:P.834 - P.836
文献購入ページに移動58歳,男性.初診の5年前に左上腕の小豆大腫瘤を自覚し,徐々に増大した.左上腕内側に約4cm大の多房状を呈する弾性硬の皮下腫瘤を認めた.組織学的には真皮内に線維性被膜に包まれた多房性囊胞状構造を有する腫瘍巣を認め,囊胞内は粘液様物質が貯留し,その中に浮遊するように腫瘍細胞塊が存在していた.他臓器の悪性腫瘍病変は認めず,mucinous carcinoma of the skin(MCS)と診断した.術後2年を経過するが再発・転移はみられていない.MCSの好発部位は眼瞼や頭皮である.発生部位について検討を加えた結果,上腕の発生は本症例が初めての報告であった.体幹・四肢に発生した場合は特に消化管由来の転移癌との鑑別が難しく,発生部位と発生起源の関連については今後も検討が必要である.
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