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症例報告
ロキシスロマイシン内服が奏効したWells症候群の1例
著者: 三井田博1 土屋和夫1 伊藤雅章1 竹之内辰也2
所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野 2新潟県立がんセンター皮膚科
ページ範囲:P.849 - P.852
文献購入ページに移動65歳,男性.四肢,体幹に紅色丘疹が出現し,次第に水疱・痂皮を伴う浸潤性紅斑となり全身に拡大した.病理組織所見では真皮全層に血管,付属器周囲を中心に多数の好酸球の浸潤を認め,典型的なflame figureの像も散見された.ステロイド内服に同意が得られず,塩酸ミノサイクリン,DDSを投与したが,いずれも無効であった.次いでロキシスロマイシン300mg/日の内服を開始したところ,皮疹は軽度の浸潤は残ったがすべて色素沈着となった.マクロライド系薬剤は抗菌以外にもさまざまな作用をもつことが研究・報告され,近年,本症をはじめとする好酸球浸潤を伴う皮膚疾患に対するロキシスロマイシンの有効性が報告がされている.同薬剤は比較的副作用も少ないことから,Wells症候群に対してステロイドを全身投与する前にまず試みる価値のある薬剤と考えられた.
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