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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻9号

2005年08月発行

文献概要

症例報告

組織学的に壊死性血管炎,ムチン沈着を伴った一過性片側性の下腿のムチン沈着症様皮疹

著者: 根本いずみ1 鹿田祐子1 大西誉光1 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.853 - P.856

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要約

 62歳,女性.伯父に関節リウマチ.特記すべき既往歴はなく,薬剤内服歴もない.2週間前から左下腿前面にそう痒性皮疹が出現・消退を繰り返し,増数してきた.初診時,左下腿前面になだらかに隆起する,一部黄色調を帯びた大豆大の軟らかい淡紅色結節が手拳大の範囲に集簇していた.ほかに皮疹はなく,光線過敏やRaynaud現象,腹痛,関節痛はなかった.白血球,補体,腎機能,甲状腺機能は正常であった.血沈促進,γ-グロブリン高値,RA陽性,抗核抗体陽性,抗SS-A/Ro抗体,抗SS-B/La抗体陽性,胸部CTで軽度の肺線維症を認めたが,全身性エリテマトーデス(SLE),Sjogren症候群,全身性硬化症(systemic sclerosis:SSc),混合性結合織病(MCTD)の診断基準は満たさない.組織像では真皮上層の血管の壁は破壊され,周囲に好中球浸潤と核破砕像,赤血球漏出を伴っていた.罹患血管の周囲にムチンが沈着していた.鑑別疾患について若干の考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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