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症例報告
点滴剤の漏出により血管走行に一致した湿疹性病変を生じた1例
著者: 近藤亨子1 矢田佳子1 石橋睦子1 石黒直子1 川島眞1
所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.857 - P.859
文献購入ページに移動69歳,男性.左内果に硝酸イソソルビド,セフトリアキソンナトリウム,ヘパリンを含む薬剤の点滴漏れを生じた.その2日後に,刺入部から血管の走行に一致して上行性に強いそう痒と浸潤を伴う紅斑と漿液性丘疹が出現した.病理組織像は,真皮浅層の著しい浮腫と表皮下の水疱および真皮全層の血管・付属器周囲と脂肪小葉内に稠密なリンパ球,好酸球の浸潤を認めた.また,明らかな血管炎はなかったが,一部に血管内皮細胞の膨化を認めた.臨床像および組織像より,点滴剤による血管障害のほか,遅延型アレルギー機序の関与も考えた.
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