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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科59巻9号

2005年08月発行

文献概要

症例報告

点滴剤の漏出により血管走行に一致した湿疹性病変を生じた1例

著者: 近藤亨子1 矢田佳子1 石橋睦子1 石黒直子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.857 - P.859

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要約

 69歳,男性.左内果に硝酸イソソルビド,セフトリアキソンナトリウム,ヘパリンを含む薬剤の点滴漏れを生じた.その2日後に,刺入部から血管の走行に一致して上行性に強いそう痒と浸潤を伴う紅斑と漿液性丘疹が出現した.病理組織像は,真皮浅層の著しい浮腫と表皮下の水疱および真皮全層の血管・付属器周囲と脂肪小葉内に稠密なリンパ球,好酸球の浸潤を認めた.また,明らかな血管炎はなかったが,一部に血管内皮細胞の膨化を認めた.臨床像および組織像より,点滴剤による血管障害のほか,遅延型アレルギー機序の関与も考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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