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症例報告
Acne fulminansの1例
著者: 山田晶子1 山崎修1 山本哲也1 松浦浩徳1 岩月啓氏1
所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究科皮膚・粘膜・結合織学
ページ範囲:P.872 - P.875
文献購入ページに移動15歳,男児.1999年頃から尋常性ざ瘡があり,2002年3月に突然,膿疱,丘疹が顔面全体に急速に拡大し,抗生剤による加療を受けたが不変であった.39℃台の発熱を伴い,右肘,背部に関節痛が生じた.初診時,前額部,両頬部から下顎部にかけて紅褐色斑と色素沈着があり,帽針頭大~粟粒大の膿疱と厚い痂皮が付着し,ところどころに瘢痕を認めた.病理組織では毛囊破壊と真皮全層の好中球浸潤を認めた.細菌培養ではStaphylococcus epidermidisを検出し,血液検査で炎症反応,X線で胸骨の骨改変像,骨シンチで胸骨,仙腸関節,胸椎に異常集積を認めたことより,acne fulminansと診断した.ステロイド内服が著効した.
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