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症例報告
Pleomorphic fibromaの1例
著者: 吉田理恵1 木本雅之1 木花光1 大沢淳子2 中村宣子2
所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科 2済生会横浜市南部病院病理部
ページ範囲:P.879 - P.881
文献購入ページに移動43歳,女性.数年前より左拇指末節屈側に,自覚症状を伴わない4mm径,表面平滑,軽度隆起性,常色の角化性小結節が生じた.病理組織学的に真皮内の境界が明瞭な腫瘍で,増生した膠原線維間には紡錘形ないし星型の細胞や多核巨細胞を多数認め多形性を示す.pleomorphic fibromaと診断し,術後7か月間,再発を認めていない.pleomorphic fibromaは1989年にKaminoらにより命名された比較的新しい疾患概念で,本邦での報告は2例目である.sclerotic fibroma,pleomorphic sclerotic fibromaとの鑑別も含めて,腫瘍の位置づけについて考察を加えた.なお,自験例では右第1趾の爪下外骨腫を併発していたが,過去にpleomorphic fibromaと他の腫瘍との合併例の報告はなく,自験例の併発は偶然と考えている.
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