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症例報告
Giant vascular eccrine spiradenomaの1例
著者: 根本いずみ1 三井浩1 森啓之1 鈴木拓1 大西誉光1 渡辺晋一1
所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.885 - P.887
文献購入ページに移動43歳,男性.幼少時より前頸部に大豆大の自覚症状のないしこりが存在し,3~4年前より比較的急速に増大した.右前頸部に44×47mmの半球状の常色の皮下腫瘤があり,弾性硬に触知され,一部に圧痛を認めた.単純CTでは,皮下から広頸筋上に被膜を有する電子密度のやや不均一な低吸収域を認めた.病理組織像は大型類円形の好酸性塊状物と,それに接して大小の腫瘍胞巣を認めた.塊状物質は好酸性の無構造物,すなわち血漿成分で,一部に出血を伴い,辺縁のごく一部に網目状の細胞索がみられた.間質には拡張した毛細血管が存在した.充実性胞巣の部分は典型的なspiradenomaの像で,腫瘍の大半を占める部分は血漿成分の沈着で,毛細血管の拡張を伴っていたことから,spiradenomaの亜型であるgiant vascular eccrine spiradenomaと考えた.
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