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症例報告
皮膚に多発した顆粒細胞腫の1例
著者: 加藤一郎1 伊藤寿啓1 太田真由美1 太田有史1 中川秀己1 伊丹聡巳2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座 2伊丹皮フ科クリニック
ページ範囲:P.894 - P.897
文献購入ページに移動55歳,女性.初診の6か月前より右肩に2cm大の紅色隆起性腫瘍が出現した.また5年後,右鼠径部に同じ性状の腫瘍が出現した.ともに顆粒細胞腫と診断した.欧米においては多発例が全報告例の10~15%あり,家族発生例の報告も散見された.一方,本邦では皮膚多発例の報告はなかった.これは,多発に気づかれていないのか,人種間の差異があるのか現時点では不明である.本症例は同時期発症ではないが,皮膚多発例であり,本邦ではきわめて稀と考えられた.皮膚以外の臓器多発例があることも考慮して,現在,経過観察中である.
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