文献詳細
文献概要
症例報告
日光角化症に合併したMerkel細胞癌
著者: 中村妙子1 阿部浩之1 斎藤まるみ1 加藤保信1 古川裕利1 金子史男1 本多たかし2
所属機関: 1福島県立医科大学医学部皮膚科学講座 2福島県立医科大学解剖学第2講座
ページ範囲:P.902 - P.905
文献購入ページに移動80歳,女性.1990年頃,左側頭部に紅褐色局面が出現した.1997年頃,同部位に腫瘤が出現し,徐々に増大した.びらんを伴う紅褐色局面は病理組織学的に表皮の液状変性,角化細胞の異型性が認められ,日光角化症と診断した.腫瘤部の真皮内には好塩基性腫瘍細胞が充実性に増殖し,NSE染色陽性,電子顕微鏡上有芯顆粒(dense core granule)の存在が認められ,Merkel細胞癌と診断した.本例では被覆表皮に日光角化症の合併が認められたが,両者の間に組織学的移行像はなかった.しかし,いずれも露光部位である顔面に認められ,両者の発生に紫外線が関与していることが示唆された.
掲載誌情報