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症例報告
右前腕に生じたリンパ管型スポロトリコーシス
著者: 小峰靖代1 當間由子1 西山千秋2
所属機関: 1東松山市立市民病院皮膚科 2日本大学短期大学部食物栄養学科
ページ範囲:P.912 - P.914
文献購入ページに移動85歳,女性.約2年前,右前腕に皮疹が出現した.皮膚科,外科にて病変部の切開,切除,外用薬治療を受けたが軽快せず,当科を紹介された.初診時,右前腕に潰瘍を伴う52×30mmの浸潤性紅斑を認めた.このときの皮膚生検,培養では確定診断に至らなかった.初診から3か月後,浸潤性紅斑は痂皮を固着し70×30mmに拡大し,さらに中枢側に径15mmの皮下結節が新生したため,皮下結節を全摘出した.スポロトリキン反応は陽性であった.組織学的に炎症性肉芽腫像を呈し,菌要素,星芒状体を認め,組織片の培養よりSporothrix schenckiiを分離同定したため,リンパ管型スポロトリコーシスと診断した.ヨードカリ0.5g/日の内服と,局所温熱療法を併用し,皮疹は8週で完治した.
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