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治療
局所処置にダラシンパテが有用であった有棘細胞癌の2例
著者: 新山史朗1 佐藤勘治1 金子聡1 饗場伸作1 向井秀樹1
所属機関: 1横浜労災病院皮膚科
ページ範囲:P.931 - P.933
文献購入ページに移動症例1:71歳,女性.痴呆はなかった.頸部に腫瘤が出現し,他院で切除したが再発した.その後は,治療することなく37年間放置していた.頸部から胸部にかけて頸動脈の拍動を認めるほどの深達性の潰瘍と,その辺縁に隆起する結節を認めた.エトレチナートにて加療中であったが,肺転移による呼吸不全で死去した.症例2:53歳,女性.10年来無治療で,後頭部全域にわたり頭蓋骨融解を伴う潰瘍と,辺縁が堤防状に隆起する結節を認めた.他臓器への転移はなかった.両者とも患部より二次感染および壊死組織による腐臭を発していたが,ダラシンパテの使用により改善された.ダラシンパテの組成はイソジンゲル (R)(20g),白色ワセリン(45g),カルボキシメチルセルロースナトリウム(35g),ダラシンカプセル (R)(300mg)の混合軟膏であり,殺菌作用,吸湿と臭気のコントロールに有効である.悪臭を発する癌に対して試してよい補助療法と思われた.
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