臨床皮膚科60巻1号

2006年01月発行

今月の症例

足白癬として治療されていた足趾Bowen病

著者： 中村泰大¹ 許雪珠² 大塚藤男² 藤井俊宥³

所属機関： ¹藤慈会藤井病院皮膚科 ²筑波大学大学院人間総合科学研究科病態制御医学専攻皮膚病態医学分野 ³藤慈会藤井病院内科

ページ範囲：P.9 - P.11

要約　77歳，女性．数年前より右4趾背の落屑・紅斑が出現した．前医にて足白癬の診断で抗真菌薬外用を受けたが不変で，次第にびらんが出現してきた．初診時，潰瘍よりMRSAが検出されたため，二度のバンコマイシン点滴で略治したが数週後に再発した．再度，点滴後に皮膚生検を行いBowen病と診断した．腫瘍切除および植皮を行い現在まで再発はない．

中村泰大，他：臨皮60：9-11，2006

参考文献

1) 嶋崎　匡：皮膚臨床22: 381, 1980

2) 乃木田俊辰, 他：日形会誌1: 705, 1981

3) 濱松輝美, 他：皮膚臨床27: 732, 1985

4) 豊島弘行, 他：皮膚臨床29: 161, 1987

5) 瀬川陽子, 他：皮膚臨床31: 816, 1989

6) 大久保千真季, 他：皮膚臨床32: 695, 1990

7) 後藤由美子, 他：西日皮膚57: 21, 1995

8) 斎藤万寿吉, 他：西日皮膚65: 254, 2003

9) 長島陽子, 他：皮膚臨床45: 845, 2003

10) 天谷美里, 他：皮膚臨床46: 388, 2004