臨床皮膚科60巻1号

2006年01月発行

症例報告

キャップライトの乾電池型バッテリーによる低温熱傷の1例

著者： 畑佐知里¹ 永井美貴¹ 坂義経¹ 浅川絵理¹ 前田学¹ 岩田仁²

所属機関： ¹県立岐阜病院皮膚科 ²県立岐阜病院病理部

ページ範囲：P.13 - P.15

要約　54歳，男性．台風のさなか，堤防に泥を積む作業を頭にキャップライトを付け，乾電池のバッテリーを左臀部，左大腿部のポケットに入れ2～3時間行った．作業後，それぞれ菱形，楕円形に紅斑が生じ2日後，黒色壊死になった．病理組織検査にて真皮深層，皮下組織まで広範囲な凝固壊死が認められた．デブリドマンおよび分層植皮を行った．電池型バッテリーは誤った使用法により低温熱傷をきたすことがあり，注意が必要である．

畑佐知里，他：臨皮60：13-15，2006

参考文献

1) 飯田智恵, 他：日看研会誌27: 43, 2004

2) 高津州雄, 他：熱傷30: 126, 2004

3) 土井美果, 他：皮膚臨床46: 637, 2004

4) 笹田昌宏, 他：皮膚の科学3: 120, 2004

5) 工藤英樹, 他：熱傷29: 296, 2003

6) 向井真佐子, 他：皮膚の科学2: 486, 2003

7) 内山英祐, 他：旭川厚生病院医誌12: 119, 2002

8) 森野一真, 他：熱傷28: 181, 2002