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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻1号

2006年01月発行

文献概要

症例報告

Circumscribed palmar hypokeratosisと思われる1例

著者: 村田真希1 斉藤佑希1 光戸勇1

所属機関: 1福井県立病院皮膚科

ページ範囲:P.27 - P.29

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要約 53歳,女性.6年前より左手母指球部に触るとぴりぴりする円形の陥凹性病変が生じた.病変部位の病理組織像では,健常皮膚より陥凹した皮膚への移行部に,階段状で急速な角質層の菲薄化と病変部の顆粒層の菲薄化を認めた.HPV抗体の免疫染色は陰性であり,特徴的な臨床所見,病理組織学的所見よりcircumscribed palmar hypokeratosisと診断した.軽度の痛みが継続するため生検より5か月後に単純全切除を行った.病理組織像では,生検時にはみられなかったリンパ球浸潤を認めた.なお,現在までに再発は認めない.circumscribed palmar hypokeratosisは通常自覚症状を欠くため,生検後は経過観察されており,調べ得た限りでは全切除された例はない.

村田真希,他:臨皮60:27-29,2006

参考文献

1) Perez A, et al: J Am Acad Dermatol47: 21, 2002
2) DeBloom JR 2nd, et al: J Am Acad Dermatol51: 319, 2004
3) Obermoser G, et al: J Am Acad Dermatol49: 1197, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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