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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻1号

2006年01月発行

症例報告

悪性黒色腫のDAVフェロン療法中に発症した骨髄異形成症候群の2例

著者: 紺野隆之1 日下部順子1 三浦歩1 川口雅一1 三橋善比古1 近藤慈夫1 伊藤義彦2

所属機関: 1山形大学医学部皮膚科学教室 2明石医院

ページ範囲:P.71 - P.75

文献概要

要約 症例1:61歳,女性.背部の悪性黒色腫(malignant melanoma:MM)(stage IA)に対し,術後DAVフェロン療法を施行された.4クール施行後,汎血球減少,全身倦怠感,食欲不振が出現し,骨髄穿刺にて骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)(RA)と診断した.化学療法中止にて血液所見は改善した.症例2:78歳,男性.背部のMM(stage ⅢC)に対し,術後DAVフェロン療法を施行された.3クール施行後汎血球減少が出現した.末梢血に芽球が出現し,全身倦怠感もあった.骨髄穿刺にてMDS(RAEB-t)と診断した.輸血などの対症療法を行ったが白血化し死亡した.一次腫瘍に対する化学療法や放射線療法が要因となり,MDSを発症することがあり,MMに対するDAVフェロン療法でも同様である.DAVフェロン療法はMMの治療に広く行われているが,MDSが発症する可能性を認識する必要がある.

紺野隆之,他:臨皮60:71-75,2006

参考文献

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10) 細見尚子, 他:日皮会誌111: 979, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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