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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻1号

2006年01月発行

文献概要

症例報告

帝王切開の手術瘢痕部に生じた腹壁子宮内膜症の1例

著者: 田中麻紀子1 伊藤治夫1 石崎純子1 原田敬之1

所属機関: 1東京女子医科大学東医療センター皮膚科

ページ範囲:P.89 - P.91

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要約 34歳,女性.帝王切開後の腹壁瘢痕部に,疼痛を伴う下床との可動性不良の皮下腫瘤が出現した.月経周期に伴う症状の増強は認めなかった.画像検査では手術瘢痕と連続して腫瘤が存在したが術前診断は困難であった.病理組織学的所見にて,1層の円柱上皮からなる多数の管腔様構造とその周囲に膠原線維の間質がみられ,腹壁子宮内膜症と診断した.腹壁子宮内膜症についての報告は比較的稀であるが,適齢女性の腹壁手術痕に生じた腫瘍を診た場合は,月経随伴症状の有無にかかわらず本症を念頭に置くべきであると考えた.

田中麻紀子,他:臨皮60:89-91,2006

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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