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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻10号

2006年09月発行

症例報告

ステロイド内服が著効したgeneralized Hailey-Hailey disease

著者: 箭原弘典1 井川健1 佐藤貴浩1 横関博雄1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.892 - P.895

文献概要

 54歳,男性.30歳頃より夏季に増悪する陰股部の紅斑とびらんを認めており,母親も同様の症状があった.1年前より陰股部の病変が悪化し,それとともに全身に紅斑が拡大して汎発化した.顔面を除くほぼ全身に暗紅色のびらんを伴う紅斑と水疱を認めた.間擦部では融合して疼痛を伴う湿潤局面を形成していた.生検組織では表皮内の裂隙形成と表皮細胞の棘融解像を認め,臨床像と組織所見からgeneralized Hailey-Hailey diseaseと診断した.びらん面からは黄色ブドウ球菌と緑膿菌を検出した.抗生剤投与,ステロイド薬外用,エトレチナートの内服は無効であったが,プレドニゾロン30mg/日の内服にて著明に改善した.汎発化したHailey-Hailey病に対してステロイド内服が有効な症例であった.

参考文献

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13) 池田志斈:日皮会誌109: 957, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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