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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻10号

2006年09月発行

文献概要

症例報告

水疱性類天疱瘡を合併した尋常性乾癬の1例

著者: 水野愛1 瀧本玲子1 河井正晶1 秋山知加1 駒井礼子2 石井文人2 橋本隆2 高森建二1

所属機関: 1順天堂大学浦安病院皮膚科学教室 2久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.896 - P.898

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 72歳,男性.約10年来の尋常性乾癬で加療中,特に誘因なく四肢,軀幹に紅斑,緊満性水疱が出現し,精査の結果,水疱性類天疱瘡と診断した.尋常性乾癬と水疱性類天疱瘡の合併例につき現在までの報告をまとめ,検討した.特徴としては,①高齢者の男性に多いこと,②乾癬病変が数年から数十年先行していること,③高血圧,糖尿病などを有し,それに対する薬剤投与歴がある例が多いこと,④乾癬に対する治療が誘因となった例があることが挙げられた.近年,尋常性乾癬に合併する水疱症として,真皮内の200kD蛋白に対する自己抗体をもつanti-p200 pemphigoidが報告されているが,本症例では200kD蛋白に対する自己抗体は陰性であった.

参考文献

1) 黒川 捷:日皮会誌84: 410, 1974
2) 元木良和, 他:臨床皮膚47: 579, 1993
3) Chen KR, et al: Br J Dermatol134: 340, 1996
4) 西岡和恵, 他:皮膚臨床40: 293, 1998
5) 木村恭一, 他:皮膚臨床40: 1939, 1998
6) 澤田荘平, 他:皮膚臨床43: 631, 2001
7) 羽淵知可子, 他:皮膚臨床45: 419, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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