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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻10号

2006年09月発行

文献概要

症例報告

全身性無汗症が契機となり診断したSjögren症候群の1例

著者: 五十嵐直弥1 永井弥生1 遠藤雪恵1 田村敦志1 石川治1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学

ページ範囲:P.907 - P.910

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 57歳,男性.野外での作業中に顔面,手背,前腕の腫脹が出現し,めまいや倦怠感を伴うようになった.これらの症状は日陰で安静にすると軽快していた.各種光線照射試験は正常範囲であった.日光曝露による誘発テストで発熱,頻脈および顔面などの露光部に発赤・腫脹が出現し,主治医が患者に発汗のないことに気づいた.温熱発汗テストでは全身性の発汗消失がみられた.皮膚生検では汗腺周囲にリンパ球が浸潤していた.抗核抗体,抗SS-A抗体陽性,角膜びらんおよび小唾液腺の導管周囲にリンパ球浸潤がみられたことから,Sjögren症候群に伴う全身性無汗症と診断した.ステロイドパルス療法が著効し,2クール施行後には発汗がみられるようになった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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