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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻10号

2006年09月発行

症例報告

ラノリンによる接触皮膚炎を伴った難治性下腿潰瘍の1例

著者: 鶴見純也1 小林万利子1 鈴木弘美1 川村由美1 濱崎洋一郎1 籏持淳1 山﨑雙次1

所属機関: 1獨協医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.914 - P.916

文献概要

 41歳,男性.出生時より左下肢に動静脈奇形によると思われるチアノーゼがあり,6歳時に交感神経切断術を受けた.2000年,左下腿に皮膚潰瘍が出現した.当院外科にて左総腸骨静脈閉塞症,下大静脈閉塞症と診断され,大伏在静脈バイパス術を施行し,皮膚潰瘍は治癒した.しかし,2年前より左下腿に難治性の下腿潰瘍が再発したため当科入院となった.PGE1製剤の点滴,保存的治療を行うも潰瘍は拡大した.パッチテストで貼布薬キュティセリン(R),アズノール軟膏(R)が陽性を示し,それらの共通成分である精製ラノリンも陽性であった.精製ラノリンを含有する他の外用薬とイソジン(R)もパッチテスト陽性を示した.外用薬の変更,分層植皮術を行い潰瘍は治癒した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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