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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻10号

2006年09月発行

症例報告

Drug-induced hypersensitivity syndromeの経過中に生じた帯状疱疹

著者: 佐久間恵一1 狩野葉子1 塩原哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.920 - P.923

文献概要

 39歳,男性.うつ病のためカルバマゼピンを22日間内服後より,発熱を伴って体幹に紅斑が出現した.風疹が疑われ内服を継続したが,紅斑が全身性に拡大したため内服44日目に当科を受診した.入院時,38℃の発熱,全身にびまん性の潮紅を認め,頸部リンパ節腫大,好酸球増多(48%)を伴う白血球増多(19,400/μl),肝機能障害などの所見からdrug-induced hypersensitivity syndrome (DIHS)を疑いカルバマゼピンを中止し,プレドニゾロン60mg/日を開始した.皮疹と肝機能は徐々に軽快し,約2週後にHHV-6IgG抗体価の上昇を認めたため,カルバマゼピンによるDIHSと診断した.経過中HHV-6抗体価の上昇に続いて,左大腿部に帯状疱疹が出現した.免疫再構築症候群やgraft-versus-host diseaseに伴って帯状疱疹が発症することが知られており,本症例の帯状疱疹も同様にウイルス再活性化の一環として発症したと考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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