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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻10号

2006年09月発行

文献概要

症例報告

認知症患者に生じた猫引っかき病の1例

著者: 木下華子1 竹中秀也1 加藤則人1 岸本三郎1

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚病態制御学

ページ範囲:P.924 - P.926

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 67歳,女性.軽症の認知症がある.右腋窩と右肘窩に圧痛を伴う皮下腫瘤を認めた.当院内科を受診し,悪性リンパ腫を疑われ,生検目的で当科を紹介された.血液検査上,CRP0.6mg/dlと軽度上昇を認める以外の異常はなかった.生検時に皮下腫瘤より排膿を認め,改めて問診したところ,手背を猫に引っかかれていたことが判明した.病理組織検査ではリンパ節内に好中球からなる膿瘍および肉芽腫の所見を認めた.間接蛍光抗体法によるBartonella henselaeの血清抗体価は,IgG抗体が1,024倍以上であり,猫引っかき病と診断した.クラリスロマイシンおよびロキシスロマイシン内服により軽快した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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