文献詳細
症例報告
文献概要
90歳,女性.約10年前より右下腹部に自覚症状のない紅斑が出現し,1年ほど前より紅斑内に腫瘤が出現した.初診時,右下腹部に32×20mmの比較的境界明瞭な紅斑があり,そのほぼ中央に10×15×5mmの,表面にびらんを伴う腫瘤を認めた.周囲の紅斑より5mm離して切除した.病理組織学的に腫瘤部はMerkel細胞癌,紅斑部はBowen病であった.抗サイトケラチン20抗体とNSEが腫瘤部腫瘍細胞にのみ陽性であった.術後6か月後リンパ節に転移し,11か月後に永眠された.
参考文献
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