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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻10号

2006年09月発行

治療

ステロイド乳剤性ローションの体幹・四肢の皮疹に対する臨床的有用性と使用感に関する調査

著者: 川島眞1 ステロイド乳剤性ローション研究班

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.964 - P.970

文献概要

 各種皮膚疾患患者113例(湿潤型湿疹・皮膚炎群41例,苔癬化型湿疹・皮膚炎群37例,尋常性乾癬35例)を対象として,ステロイド乳剤性ローション(アンテベート(R)ローション;0.05%酪酸プロピオン酸ベタメタゾン)の体幹・四肢に対する有用性を検討した.①皮膚症状の推移では,すべての群のすべての項目において調査開始時と比べ有意な改善が認められた.②全般改善度では,「かなり軽快」以上が湿潤型湿疹・皮膚炎群95.1%,苔癬化型湿疹・皮膚炎群72.9%,尋常性乾癬71.4%であった.③有用性の評価では,「有用」以上が湿潤型湿疹・皮膚炎群95.1%,苔癬化型湿疹・皮膚炎群81.0%,尋常性乾癬74.3%であった.④使用感の調査では,各群間に大きな差はなく,全体の約90%が「のびる」「さらっとしている」「刺激を感じない」「においが気にならない」などと回答した.また,軟膏・クリームの使用経験がある患者に乳剤性ローションの使用の希望を問うたところ,「希望する」が湿潤型湿疹・皮膚炎群75.6%,苔癬化型湿疹・皮膚炎群86.1%,尋常性乾癬80.0%であった.主な理由は「のびが良い」「べとつかない」「広範囲に塗りやすい」であり,使用したい部位としては手・腕・脚の四肢から胸・腹・背中の体幹部であった.これらの点より,アンテベート(R)ローションは,今回対象となった各種皮膚疾患に対する有効性および安全性が高く,患者の使用感も良好なことから,頭髪部のみならず体幹・四肢の皮膚疾患に対しても有用な治療剤であると考えた.

参考文献

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6) 津田達也, 他:皮膚の科学4: 575, 2005
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9) 足立 準:医薬の門44: 80, 2004
10) 村田 哲:医薬の門45: 236, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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