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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻11号

2006年10月発行

文献概要

症例報告

肺病変が先行した壊疽性膿皮症

著者: 岩﨑純也1 小野公司1 三重野英樹1 三浦義則1 小林真己1 黒田啓1 多島新吾1

所属機関: 1防衛医科大学校皮膚科学

ページ範囲:P.1009 - P.1012

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要約 40歳,女性.1年前に喀血があった.近医にて肺アスペルギルス症の診断にて左肺上葉を切除された.術後胸部の手術創に潰瘍性病変が出現し,同時に両上下肢にも同様の病変がみられた.初診時,四肢・胸部に類円形の大小の潰瘍が多発しており,そのほかに膿疱が散在していた.病理組織学的には真皮全層に好中球・リンパ球よりなる非特異的炎症細胞浸潤を認めた.壊疽性膿皮症の診断後,DDSによって皮疹は軽快した.しかし,初診の3か月後,右上肺野に胸部X線異常影が出現すると同時に皮疹も増悪した.胸部異常影に対し抗菌薬・抗真菌薬は無効のため,壊疽性膿皮症に関連した肺病変と考えた.プレドニン(R)・シクロスポリン内服によって皮膚・肺病変は改善した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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