臨床皮膚科60巻11号

2006年10月発行

症例報告

顆粒細胞腫の2例―腫瘍の色調は腫瘍の深さと被覆表皮の性状による

著者： 洞口由香¹ 前田文彦¹ 高橋和宏¹ 赤坂俊英¹ 林正康² 樋口浩文²

所属機関： ¹岩手医科大学皮膚科学教室 ²岩手医科大学形成外科学教室

ページ範囲：P.1039 - P.1042

要約　症例1：17歳，女性．左腋窩に黄色調の皮下腫瘤を生じた．病理組織学的に表皮の変化を欠き，真皮中層に顆粒細胞腫胞巣が存在した．症例2：45歳，女性．右背部のドーム上に隆起する紅色腫瘤で，組織学的に表皮肥厚と基底層のメラニン色素増殖を認め，顆粒細胞腫胞巣は表皮直下から存在していた．2例の顆粒細胞腫の臨床像の違いは腫瘍の深さと表皮の変化によると考えた．

参考文献

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