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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻11号

2006年10月発行

文献概要

症例報告

リンパ節転移を伴ったeccrine porocarcinomaの1例

著者: 中野さち子1 牧之段恵里1 萬木聡1 山本純照1 浅田秀夫1 宮川幸子1

所属機関: 1奈良県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1049 - P.1051

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要約 75歳,男性.2年前,右大腿後面に拇指頭大の腫瘍が生じ,放置していたところ徐々に増大し,また表面にびらんが生じてきた.初診時,右大腿後面に軽度隆起し表面にびらんを伴う直径約3cmの類円形淡紅色結節を認めた.皮膚生検では,腫瘍巣は小型の核を有する好塩基性細胞が増殖する暗調な部分と異型性に富む大型の細胞からなる明調な部分で構成され,表皮と連続して真皮下層まで浸潤していた.胞巣内にはクチクラを伴う微小な管腔構造もあり,CEA(+),EMA(+),S-100蛋白(-)であった.eccrine porocarcinomaと診断し,辺縁から3cm離して筋膜上で切除した.右鼠径リンパ節生検で転移を認めた.治療後1年半を経過した現在,再発・遠隔転移はない.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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