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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻11号

2006年10月発行

文献概要

治療

アトピー性皮膚炎に対する1日2回投与の抗ヒスタミン薬の有効性および安全性の検討

著者: 瀧川雅浩1 伊藤泰介1 浦野聖子2 大島昭博1 影山葉月3 杉浦丹4 橋爪秀夫1 秦まき5 古川富紀子6 堀部尚弘1 八木宏明1 吉成康1 戸倉新樹7 伊豆邦夫8 椛島健治7 古賀千律子7 島内隆寿7 杉田和成7 野見山朋彦9 益雪浩一10 村田宏爾11 小林美和7

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科 2遠州総合病院 3磐田市立総合病院 4静岡市立清水病院 5沼津市立病院 6静岡県立総合病院 7産業医科大学皮膚科 8九州厚生年金病院 9野見山病院 10ますゆき皮フ科クリニック 11九州労災病院

ページ範囲:P.1071 - P.1077

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要約 アトピー性皮膚炎に対する抗ヒスタミン薬として,最も汎用されている1日2回投与の塩酸フェキソフェナジンと塩酸オロパタジンを用いて,両群間で痒み抑制効果の違いがあるかどうかをVisual Analogue Scale(VAS),Skindex16を中心に非盲検交差試験法にて検討した.その結果,いずれの薬剤においても,VAS値は投与開始4週後,8週後ともに有意な減少効果が認められた(p<0.05).また,QOLの指標であるSkindex16のスケールも経時的に有意に減少した(p<0.05).VASからみた薬剤の有効性について,両群間に有意な差はみられなかったが,眠気の頻度は塩酸フェキソフェナジンで有意に低かった.塩酸フェキソフェナジンは患者の満足度においても明らかに高く,アトピー性皮膚炎において,第一選択薬となる抗ヒスタミン薬と考えられた.

参考文献

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12) 大橋淑宏, 他:Progress in Medicine25: 2852, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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