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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻12号

2006年11月発行

症例報告

下肢深部静脈血栓症によって難治性皮膚潰瘍を呈した抗リン脂質抗体症候群の1例

著者: 坪井廣美1 勝岡憲生1

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1107 - P.1110

文献概要

 30歳,男性.7年前に胸膜炎,関節炎,蛋白尿,蝶形紅斑,抗核抗体陽性であったことより全身性紅斑性狼瘡(SLE)と診断されている.初診の4か月前より左下腿に潰瘍が出現し次第に拡大した.血清梅毒反応偽陽性,血小板減少,PTT延長,ループスアンチコアグラント陽性,肺血栓塞栓症,深部静脈血栓症,膝窩静脈に微小血栓症を認めたことより,SLE患者にみられた抗リン脂質抗体症候群と診断した.下腿潰瘍はLinton手術を施行,抗リン脂質抗体症候群に対してプレドニゾロン30mg,アスピリン100mgを投与したところ,潰瘍は略治し,PTT延長の改善と血小板の増加を認めた.

参考文献

1) 野島順三, 他:臨床病理46: 1181, 1998
2) Wilson WA, et al: Arthritis Rheum42: 1309, 1999
3) Vianna JL, et al: Am J Med96: 3, 1994
4) 高橋政史, 他:臨皮57: 160, 2003
5) 伊川友香, 他:臨皮60: 43, 2006
6) 藤沢智美, 他:日皮会誌115: 1481, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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