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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻12号

2006年11月発行

文献概要

症例報告

IL-18値が病勢を反映した成人Still病の1例

著者: 矢田佳子1 小林里実1 宍戸悦子1 檜垣祐子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1111 - P.1114

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 33歳,女性.咽頭痛,頸部リンパ節腫脹とともに弛張熱が出現し,有熱時に関節痛と全身の浮腫性紅斑を伴った.紅斑の病理組織像では,真皮上~中層の血管周囲に浮腫とリンパ球主体の炎症細胞浸潤を認めた.未梢血では好中球増多とフェリチン値,CRPの上昇がみられ,感染症,膠原病,悪性腫瘍を示唆する所見はなかったことから,成人Still病と診断した.血清サイトカイン値の測定では,IL-18が123,000pg/mlと異常高値を示した.プレドニゾロン(PSL)0.6mg/kg/日の内服を開始したが,そう痒を伴う滲出性紅斑が出現し,5日間持続した.夜間の発熱,関節痛が改善しないため,PSLを1.0mg/kg/日に増量し,症状は軽快した.4年を経過した現在まで再然は認めない.

参考文献

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7) 山村昌弘:最新医学57: 873, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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