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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科60巻12号

2006年11月発行

症例報告

T細胞受容体β鎖およびγ鎖の遺伝子再構成が検出されたlymphomatoid papulosisの1例

著者: 小野紀子1 齋藤昌孝1 天谷雅行1 久保佳多里2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2府中恵仁会病院皮膚科

ページ範囲:P.1119 - P.1122

文献概要

 26歳,男性.初診の約4年前より体幹・四肢に自覚症状を伴わない皮疹が繰り返し出現し,近医にて急性痘瘡状苔癬状粃糠疹(PLEVA)と診断され,加療されたが,軽快せず当科を受診した.初診時,体幹・四肢に米粒大から小豆大までの紅褐色の丘疹が新旧混在して認められた.病理組織学的に,表皮内には異型リンパ球の浸潤と多数の赤血球がみられ,真皮浅層から中層の血管・付属器周囲にCD30陽性大型異型細胞が斑状に浸潤しており,lymphomatoid papulosisと診断した.遺伝子検査にてT細胞受容体β鎖およびγ鎖の遺伝子再構成が検出され,同一の皮疹のなかに少なくとも2種類のリンパ球のクローン性増殖が生じていたことを示唆するものと考えた.

参考文献

1) Macaulay WL, Fargo MD: Arch Dermatol97: 23, 1968
2) Weinmann VF, Ackermann AB: Am J Dermatopathol3: 129, 1985
3) 加藤美保子, 他:日皮会誌87: 647, 1977
4) Jean LB, et al: Dermatology, Mosby, Spain, p1935, 2003
5) Boulland ML, et al: Histopathology36: 136, 1999
6) Weiss LM, et al: N Engl J Med315: 475, 1986

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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